はじめての試みである「オンライン展示会」参加レポート、後編です!
午前中の様子はこちらから前編をどうぞ!
午後の講演リスト
午後は、基調講演からスタートです。
基調講演「アフターコロナでICTをどう業務に生かすか」
シンフォニックケア医療福祉創造研究所代表 猪飼容子さんより、お話しいただきました。
2025年までに、55万人が必要とされている介護人材不足の問題。それに加えて、新型コロナウイルスの影響で労働条件や環境は厳しくなってきています。
今後ますます介護現場のICT化が求められますが、それが進んだとしても忘れてはいけないのは、現場は「人が人を支援する」ということ。それは永久に変わらない、とおっしゃっていたのが心に残りました。テクノロジーの力を借りて、チームで成功体験を共有する。気づいたもので現場を変革していくことが必要。変化を恐れない、チームでのコミュニケーションが非常に大切であると感じました。
そして、各企業の紹介に続きます!
5.Special Learning (株式会社Lean on Me)
障がい福祉業界で国内初のeラーニング研修サービス。
障がい者支援をする上で必要な知識を1コンテンツあたり約3分の動画で学べます。
研修に参加したいが、全員参加が難しい、研修テーマがマンネリ化してしまう、といった悩みを解消し、インターネットがつながる機器があれば、時間や場所を問わず研修が可能です。
学習者が受講した研修には、レポート、テストが備わっており、研修後に振り返りをすることができます。また、管理者は、その進捗を確認することができます。
印象的だったのは、「eラーニングだけで、現場で必要とされるスキルすべてが網羅されるわけではない」とおっしゃっていたこと。eラーニングで効率的に基礎知識を身につけ、グループディスカッションなど、理解を深める学びは現場でじっくりと行い、基礎知識の振り返りとしてまたeラーニングを活用する、という運用方法の提案がありました。
事業所ごとに適した研修内容をサポートしてくださるそうなので、研修まで手が回らなかったり、内容に悩む事業所にとって、とても心強いと感じました!
6.排泄センサー Helppad(株式会社 aba)
業界初の、においで検知する排泄ケアシステム。
排泄ケアが大変と言われる理由に、「いつ、どこで、誰が」という予測がつきづらいことがあります。
予測するためには対象者の排泄パターンを把握する必要がありますが、データを収集して分析するのって、けっこう大変ですよね。
使用方法はベッドに敷くだけ。においを感知して、知らせてくれます。
対象者の方は、洋服を着たままで大丈夫です。
そのデータをもとに排泄パターン表を自動生成することができ、おむつ交換のタイミングの最適化が出来ます。
今まで、職員の頭の中で考えて行っていたこと、そのため職員の裁量により差が出てしまいやすいケアかと思いますが、タイミングがコンピューターで一目瞭然になれば、ケアの質の向上にもつながりそうですね。
素材は、除圧のことも考えられているそうです!
これまでにない機能に、テクノロジーを取り入れた今後のケアの可能性を感じました!
7.ケアコラボ(ケアコラボ株式会社)
職員の満足度を向上できるケア記録システム。
ユーザーである、社会福祉法人ライフの学校の田中伸弥さんから事例発表がありました。
「越境するチーム~共に一隅を照らす~」というテーマから、利用者、職員、家族、地域とチームに広がりを持った事例の紹介がありました。ショートステイの方が「家に帰る」と言い、施設の外を一緒に歩いた際、反応や歩いたルート、職員の対応をケアコラボで共有しながらの対応について、細かくやりとりが記録されています。
「一隅を照らす、って表現があったかと思うんですが、こんなことをやっているんですよ。街にいたら普通に、『フードかぶってるお母さんの後ろを職員が歩いている』だけなんですけど。ここまでして見ている、というのを、やっぱりわかってもらう。そこまでがんばっている介護職員たちを。」
その言葉から、ケアコラボだからこそシェアができ、そこにケアのヒントがちりばめられている。まさに、見る人みんなをチームにし、対象者の「生活」に即した記録システムであると感じました。
その他にも素敵な事例の話がたくさん。
ケアコラボでのコメントのやり取りから、家族が施設の「ファン」になっていったそうです。
また、タイムラインだけではなく、他の様々な機能もあります。田中さんの法人ではケアコラボが発端で聞き書きをはじめ、人生録を記録しているとのこと。
対象者の生活に寄り添い、ユーザーをファンにするケアコラボ。
事例発表から、ケアコラボ社もケアチームの一員なのだと思わされました!
8.メディパスアカデミー介護(株式会社メディパス)
オンライン動画で学ぶ介護研修システム。
研修自体は、プロジェクターに映すことで集合研修としての活用も可能。
メディパスアカデミー上で、研修の資料もダウンロード出来るため、印刷するだけで準備が完了します。普段の業務の中、研修の資料を作成するだけでも大変な労力と時間がかかりますが、これなら大幅に業務が削減出来ますね。
また、個人IDを入力すればどこでも受講可能なので個人でも活用出来ます。
研修の進捗については、CSV出力し実地指導の資料として使うことも可能です。
福利厚生の一環として活用できるのが、介護福祉士や介護支援専門員の資格支援制度。こういった研修は、外部だと一人当たり数万円かかることが普通ですが、資格取得を目指す職員に受講してもらうことで、専門性の向上や職員の定着にもつながり、職員としてはモチベーションアップになりますね!
また、歌やクイズなどレクリエーションの動画や、オプションでオリジナル動画の作成、多言語の研修もあります。
現在2,000本以上のコンテンツは、今後もさらに増えていく予定とのことです!
まとめ
1日を通して盛りだくさんな内容だったオンライン展示会。
個人的には、これまでの展示会を上回る満足度でした。
理由は大きく3つあります。
①移動がなく、リアルタイムで全国(といわず世界中)からつながることが出来る!
まず、みなさんが一番心配されているであろう感染症対策ですが、オンラインなら3密が避けられ、安心、安全です。
それに加えてオンラインであれば、仕事がどうしても調整つかない、でも気になっていて少し話を聞いてみたい、という場合に、その時間だけなんとか調整出来れば参加可能なので、これまでよりもかなり参加のハードルが下がるのではないかと思います。
それから、展示会恒例の大量の資料、持って帰るのが地味に大変だったりしませんか…?これについても、気になる企業のパンフレットをあとからでもダウンロード可能でとてもお手軽でした!
②集中して聞くことができ、学びが深まった!
正直なところ、これまでの展示会では、チラシやカタログをもらって、さらっと紹介動画を見て、はい次のブース……という効率重視で回ることが多く、帰ってきてから「記憶に残ったもの」がかなり限定されていました。あと、「ちょっと見たいけど、説明してもらうの申し訳ないな…」とか、「見てるだけなのですみませんっ」と足早にその場をあとにしたり。(洋服屋で店員から話しかけられるのが苦手なタイプです、私)
オンライン展示会では、30分という時間の中で企業の理念や背景、思いを聞くことが出来たため、参加企業すべてのファンになっちゃうくらい。個別ブースも用意されていたので、さらにじっくり話を聞きたいという方も相談しやすかったのではないでしょうか。
③展示会の「空気」が最高!!!
事務局の方との雑談タイムなど、参加企業の方同士のちょっとしたやりとりの場面があり、そこにいるみなさんが、福祉業界のためにそれぞれの分野で試行錯誤していて、参加されている方全体の「現場よくしていきたいよね~!」という空気が画面越しから感じられました。
チャットの質問やコメントも、事務局の方が一つ一つ発表者に投げかけてくださり、やりとりも活発でした。匿名でも可能なので、気楽にコメントできました。
そんな空気から、参加者も、イベントを一緒に作っている感覚や一体感がありました。
福祉業界は狭い、なんてよく言われますが、こういったイベントを通して視野が広がったり、人とのつながりが生まれたりすることで現場の職場環境や、支援を必要としている方々の生活の質が向上するのではないかと思います。
いやしかし、オンラインなのにこの一体感はすごい……
まさに、展示会の革命だと思いました!!
オンライン展示会は今後も開催予定とのこと!
気になった方は、ぜひ次回参加して体感してみてくださいね。
私も今から楽しみにしています!
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