年に数回、各地で行われる福祉業界の展示会。毎年行っています!という方も多いのではないでしょうか。
福祉用具や新しいシステム、レクリエーションに食品に至るまで、福祉や介護にかかわる様々なものが一堂に会する機会、さながらお祭りのようですよね。
ただ、今年はcovid-19の影響で大きなイベントは軒並み中止……
楽しみにしていたイベントが中止となって、がっかりしている方もたくさんいらっしゃると思います。
私もそんな中の一人。
「今年はあのわくわくを味わえないのか…」と思っていたところ、なんと、展示会をオンラインで行うというではありませんか!
はたしてどうやって??
と、いうことで、気になったので参加してきました!!
時系列に沿って、前編・後編に分けてお伝えします!
オンライン展示会の流れ
そもそもオンラインで展示会ってどうやるの?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。はい、私もそうでした。
まず、参加は予約制です。といっても名前とメールアドレスを打ち込むくらいで、30秒くらいで完了しました。ちなみに参加は無料。あとは当日を待つだけです。わくわく。
前日に、メールで当日のURLが送られてきました。
当日、開催時刻の10:00になってそこにアクセスすると、youtubeライブに接続。事務局の方と各出展企業の方が映し出されました。
それぞれの場所からzoomでつながっているので、出展企業の方も、事務局の方も、参加者も、全国さまざまな場所からこの展示会に参加していることになります。
あらかじめ、出展企業ごとに説明時間が決まっているため、自分が気になる企業の時間にピンポイントでアクセスすることも可能。質疑応答やコメントなどは、チャット機能でリアルタイムで出来ます。
出展企業の説明とは別に、個別ブースも設けられていました。
もっと詳細を聞きたい!と思った企業のボタンを押すと、個別で話すことが出来ます。
つまり、参加するだけなら、インターネット環境とパソコンやスマートフォンなどのデバイスさえあれば可能!手軽にどこからでも参加出来ちゃいます。
個別ブースでの相談をしたい、という方は、カメラやマイクの準備が必要です。
……すごい!チャットを使えば思っていたよりもコミュニケーションが取れるし、リアル展示会さながら!!
と、いうわけで、結論からいうと、これは革命ではないかと思いました。
とても興奮したので結論を言ってしまいましたが、情報満載なのでぜひ最後まで目を通していただけると幸いです。
各出展企業の紹介
各企業、30分ずつの企業・商品説明がありました。
それぞれ、簡単にご紹介します!
1.ミニマムグリッド(自然電力株式会社)
「ミニマムグリッド」という言葉をはじめて聞きましたが、それもそのはず、自然電力さんの造語とのこと。自然エネルギー100%の世界を作ることをビジョンとしています。
そもそも「グリッド」とは、発電所から電気を送る、送電網とのこと。
一般的に利用されている大規模な発電所から送られてくる電力は、効率がよく大容量の電気が安定して届くというメリットがありますが、送電網の1つが遮断されると大規模停電が起きるというリスクも伴います。
そこで、小さな地域単位で電気を作ることによって、リスクを分散させようという取り組みがはじまり、スマートグリッド、マイクログリッドといわれていますが、自然電力さんはさらに最小単位の「施設ごとに」電気の供給を行うことを考え、「ミニマムグリッド」という言葉を作りました!
具体的には、施設の屋根に置いた太陽パネルでよく晴れた日に発電。
通常、余った電気は捨ててしまうのですが、蓄電池を置くことで、作った電気を充電しておき、他の時間に電気を使うことが出来ます。
災害時も蓄電池への電気が使え、継続して電源の確保が出来るので、安定したサービス提供が可能です。介護施設では、停電が起きると命にかかわるという方も少なくないため、災害にも適応できるというのはとても魅力的だと感じました。また、コストの面でも、余剰電力を効率的に使うことでメリットがあるそうです!
2.Buddycom(株式会社サイエンスアーツ)
インターネットを利用して、無線機やトランシーバーのように一斉送信ができるアプリ。持っているスマートフォンにアプリをインストールするだけで、簡単に利用することが出来ます。
使い方は非常にシンプルで、マイクのボタンを押しながら話すと、メンバーリストに所属している人全員に発信することができます。もちろん個別に発信することも可能です。
業務中で「聞こえなかった!」という場合も、ログが残っているため、あとから何度でも聞くことが出来ます。話したことをリアルタイムで文字に変換する機能もあります。驚いたことに翻訳機能もあり、話した言葉を設定した言語に文字で翻訳してくれるため、外国人の方とのコミュニケーションも取りやすくなります。
全業種かつグローバルに使えるアプリ、ということで、アメリカのアップル社お墨付きだそうです!
実は、私も職場でBuddycomを使用したことがあります。コロナ禍で職員同士の接触を最小限にするため、一時期こちらを使って申し送りをしておりました。
情報共有がスムーズになることで業務の効率が図れるアプリです!
3.ケア樹(株式会社グッドツリー)
クラウド型介護保険請求システム。
東日本大震災のボランティアがきっかけで、「シンプルで使いやすい」「災害に強い」介護請求システムの必要性を感じ、開発されました。
主なポイントは3つ。1つ目は、「簡単」。必要な機能に絞った、シンプルな設計になっています。2つ目は、「安心」。自社サーバーではなく、アマゾン ウェブ サービスを使用。クラウドサーバーは、パソコンの破損でデータがなくなってしまう心配がなく、セキュリティ対策も安心です。3つ目は、「低価格」。料金は一事業所単位となっているため、職員や利用者が何名いても、同一料金です。固定費の削減につながるのは事業所としてありがたいですね。
サポート体制がとても手厚く、インタビュー動画からユーザーさんの厚い信頼を感じました。
特に驚いたのは、新型コロナウイルスの流行をきっかけとして、オンラインでユーザーの座談会を開催したこと。介護請求システムの会社が座談会を企画したということ話は、初めて聞きました!
コストパフォーマンス、と一言で説明するには言葉が足りないくらい、ユーザーのことを考えてサポートしていることが伝わってきました。
4.予測型見守りシステム ネオスケア(ノーリツプレシジョン株式会社)
こちらの会社、元々は写真の処理機器のメーカーさんだそうです。
みなさんの自宅のアルバム、10枚中7枚はこちらの会社さんの機械で作った商品かも!
一気に親近感が湧きますね。笑
ネオスケアは、居室の状況把握、危険動作の予兆通知ができる介護ロボット。
そもそも、職場にICTを導入する際に心配なのが、「スタッフが使いこなせるか」「期待した効果が得られるのか」といった点かと思います。
ITやICTは、機器を導入するだけでは生産性は上がりません。システムを導入し、業務のプロセス、やり方を変えることで生産性を向上させる、というお話がありました。
また、一言で「見守り」といっても、転倒リスク、バイタルの把握、所在の確認など、目的が様々であるため、まずは職場の課題を抽出し、何が1番の課題であるかを探り、その目的にあった介護ロボットを導入することが必要とのこと。
他にも、いくつか導入のコツを教えていただきました。
国や北九州市の実証試験では、転倒事故の削減、夜間の訪室回数の減少による業務負担軽減、また見守りの業務が軽減されたことにより、コミュニケーションなど増やしたい業務に使うことができ、介護の質の向上につながったと結果が得られたそうです!
ICTを導入し業務プロセスを改善することで、職員の負担軽減につながりケアの質の向上につながることが具体的にイメージできました。
さて、イベントではここでお昼休憩となりました。
一息ついて、続きはこちらから後編へ!
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