ICT化の取り組み

活用度100%! 特別養護老人ホームファミーユに「ケア樹」の導入法やメリットを聞きました

全国で2,600を超える施設に導入されている、介護ソフト「ケア樹」。

わかりやすい操作性や、充実したサポート体制が強みのこの介護ソフトは、実際に施設でどのように使われているのか。

今回、長崎県にある「特別養護老人ホームファミーユ」の職員のみなさんに、ケア樹の使い心地やメリット、導入後の変化などを伺いました。

社会福祉法人 豊寿会 特別養護老人ホームファミーユ

介護士 金子さん
看護士 迎さん
管理栄養士 金山さん
ケアマネージャー 大浦さん

ケア樹紹介

介護施設運営の支援を目的とした、クラウド型介護ソフト。
様々な業務帳票や計画書・記録・請求・分析業務などの一連の業務をICT化できる。
使いやすい操作性や充実したサポート体制により、現在全国2,600を超える介護事業所で活用されている。

タブレットでどこでも入力できるのは便利

ーまずは、みなさんがそれぞれの役職でどのように「ケア樹」を使っているか教えてください。

金子さん
私は介護士として、毎日のケア内容を記録しています。
どのようなケアをしたか、状態はどうかといった様々な情報を、50名ほどの利用者さん全員分、ケア樹に入力しています。

迎さん
私は介護士のみなさんがケア樹に入力したデータを、毎朝他の看護師たちに共有しています。
バイタルサインの入力なども行っており、いろいろな情報をケア樹の中に集約しています。

金山さん
私は管理栄養士なので、栄養管理のためのアセスメントをケア樹上で作成しています。
介護士の方が、体重測定の結果や日々の食事、水分量などを記録しており、そうしたデータをもとに、一人ひとりの計画書を作っています。

大浦さん
私も同じように、アセスメントやケアプランの作成、モニタリングなどにケア樹を用いています。
それから、支援経過の作成も、ケア樹に入力されている情報をもとに行っています。

ーみなさんがそれぞれの職種で、必要なデータの入力、閲覧にケア樹を用いているんですね。導入して、どのようなメリットを感じていますか?

迎さん
まずは、何よりもデータが1つの場所に集まっている点が便利ですね。
ケア樹を開けば、看護に必要な情報が出てくるのはありがたいです。

金子さん
あとは、タブレットを使って情報共有できる点もいいですね。
以前も介護ソフトを使っていたのですが、パソコンでしか見ることができず、限られた場所でしか見ることができませんでした。

タブレットならどの場所でもパッと見られますし、みんなで同じ画面を見ながら話がしやすいので、活用はしやすいと感じています。
それから、前は紙でいちいち介護記録をプリントアウトしていましたが、そうした手間もなく、過去のデータもすぐに閲覧できるのもいいですね。

迎さん
例えば「いつ転倒したか」などのデータが日時とともに出てくるので、より正確な介護や看護ができるようになりました。

ー正確な情報をスムーズに共有できるのは大きなメリットですよね。ちなみに、ケア樹の前には何かソフトを使っていたのですか?

大浦さん
はい、使っていました。ただ、以前のソフトは、USBのアクセスキーをパソコンに差さないと使えなかったんですよね。USBの数は限られていたので、順番待ちが発生していて、小さなことですがストレスはありました。

迎さん
そうそう、前は使えるパソコンが各階に1つだけで、わざわざ使えるパソコンを探して登り降りするのが大変でした。

大浦さん
認定調査のときにも、タブレットがあるので楽になりました。
あ、あと画面の上部に、介護保険証の期限が切れそうな利用者さんの情報が表示されるのも、更新漏れの防止に繋がっています。

金子さん
他にも、ケア樹の方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いです。
ざっくりですが、料金も記入の効率も以前の3分の1程度になったのではないでしょうか。

大浦さん
法改正にもしっかり対応しているので、安心ですね。
ちょうど今年も法改正がありましたが、その度に細かく単価が変わります。数字が1円でも変わると、いろいろなことを見直す必要があるんです。
これまでは自分たちで設定を変えたりしていましたが、ケア樹は無料でアップデートしてくれるのでとても助かっています。

活用度100%、使いながら覚えていけばいい

ーいろいろなメリットがあるのですね。ICTツールはしっかりと導入できるかどうか、も大きな課題となるのですが、スムーズにいきましたか?

迎さん
1ヶ月程、練習期間を取っていたので、スムーズに導入はできたと思います。
一度、ケア樹のサポートスタッフの方が施設に来てくれたのも大きかったですね。
直接、操作でわからないことやどこに情報を入力すればいいのか、など細かいことを確認できました。

金子さん
ケア樹はサポート体制が手厚いので、そこも安心ですね。
以前使っていたソフトは、サポートに聞く回数が決まっていました。
ケア樹は回数制限はなく、しかもすべてサポートスタッフが直接電話で教えてくれます。
いつかけても丁寧に教えてくれるので、細かいことでも聞きやすいです。
特に、最初はたくさん聞きましたね。

大浦さん
サポートスタッフの方は、法改正の知識も豊富で、細かなこともいろいろと教えてくれるのもいいですね。

金山さん
施設内の職員にも1人、ソフトに強い人がいるので、彼女に教えてもらうことも多かったです。
ちょっとでもわからないことがあれば、彼女を探していました(笑)。

ーケア樹の活用度はどのくらいですか?

金子さん
100%ですね。ケアに携わる職員は、全員しっかりと使っています。

迎さん
うん、そこはハッキリと言えますね。

金子さん
これから新しくソフトを使う施設においては、最初は操作に戸惑うスタッフもいるかと思いますが、使いながら覚えていけばいいと思います。
もし、打ち間違ってもすぐに修正はできますからね。
まずは触ってみよう、という雰囲気を職場で作っていくといいと思います。
あと施設内に1人、機械に詳しい職員が居れば浸透は早いです。

コストパフォーマンスは施設にとって重要

ー 利用者に対するケアの質などには、変化はありましたか?

金子さん
直接的にケアの質に影響するツールではありませんが、職員の余裕は生まれているので、その分利用者のみなさんに意識を向けられるようにはなっていると思います。

大浦さん
操作がしやすく、効率的なので、これまでよりも介護に時間を取れているように思います。

金山さん
先ほども言いましたが、入力した情報をもとに状況を判断できるので、より精度の高いプランは作りやすくなったと感じています。

ーありがとうございます。最後に、ケア樹を検討しているみなさんにアドバイスがあれば教えてください。

金子さん
何よりもコストパフォーマンスに優れている点が一番です。コストを削減できれば、他のことにも予算を使えます。ICTツールは高額なイメージを持っている方もいるかもしれませんが、ケア樹のように安価で使いやすいソフトもあることはぜひ知ってほしいですね。

迎さん
先ほども言いましたが、どこでも入力できるというのは日々の仕事においてすごく便利だと改めて思います。
パソコンでデータを入力するために、施設内を歩き回るのは時間も労力も消費しますから。

金山さん
そうですね、その点は私も同じです。
利用者さんの正しい状態を把握し、共有するメリットは大きいので、まだICT化が進んでいない施設があれば、ぜひ前向きに検討してみてほしいですね。

大浦さん
もし、今他のソフトを使っている施設だと、変えるのは勇気がいると思います。
実際、私たちも最初は抵抗感があったことは否定できません。
ただ、実際に変えてみて、サポート体制や使いやすさなどメリットの方が大きかったです。
ケア樹のサポートスタッフの方は、アットホームな雰囲気の方が多いので、安心感はありますね。

ー実際に現場で、介護ソフトがどのように使われているか、リアルな様子をお聞きできて参考になりました。ご多用の中ありがとうございました。

インタビュー後の感想

実は、取材中に「もっとこう使えると便利なんだけど…」という声もいくつかお話していただいていました。

取材終了後に同席していたケア樹のスタッフが、それらの要望に一つひとつ丁寧に答えていきます。

使い方を知らなかっただけのケースもあれば、開発の要望としてしっかりと受け止めたり、ユーザーとサポートスタッフのリアルなコミュニケーションを垣間見ました。

「もっとこうしたい」という思いも、普段から使っているから生まれるもの。

こうして細かい課題を一つひとつ解決しながら、施設でのICT活用が進んでいくのだな、ととても勉強になるワンシーンでした。

株式会社グッドツリー

ケア樹製品ページ
https://caretree.jp/product/

ABOUT ME
長瀬 光弘
フリーランスのエディター/ライター。取材記事の制作を強みとしながら、メディア運営やコンテンツディレクションなど幅広く活動中。得意テーマは「ITサービス/スタートアップ」や「組織づくり/働き方」など。自身の経験を福祉業界のICT化促進に活かすべく、「福祉の現場 ICT活用協議会」のコンテンツ制作に参画。2019年に東京からUターンし、現在は岐阜県在住。